【コラム】「いかがでしたか」はなぜうざい?マイナス検索は本当に有効なのか?

先日、こんな記事を見つけました。

【小技】Googleで「いかがでしたか」をマイナス検索するとスッキリするぞ! | カミアプ | AppleのニュースやIT系の情報をお届け
Googleで「いかがでしたか」でマイナス検索するとアフィリエイトサイトを削除できるぞ

「いかがでしたか」と記事に書いてあるサイト。いわゆる「いかがでしたかサイト」を検索結果から除外するテクニックの紹介ですね。

Google検索ではキーワードの頭に「-」をつけることで、特定のキーワードだけを検索しないようにできます。

  • 「-A」⇒「Aが入っている記事は検索結果に表示しないでください」

リンク先の記事内では「普通のレビュー」を見つける方法として画期的だ!という扱われ方をしていました。

「いかがでしたか」の一言が「うざい!」と思っているGoogleユーザーは非常に多いようで、この方法を紹介したツイートはTwitterで2万件以上のリツイートがついています。

ただこれを見た時、正直私は「うーん・・・」でした。

なぜ「いかがでしたか」を除外するのか?

多数のリツイートやいいねがついているのは、この件に対する関心度が高い裏付け。賛同する人が多いということは、それだけ共感を得ている証です。

では、そもそもなぜ「いかがでしたか」を検索キーワードから除外しようということになったのか。

最近はひとつのキーワードでも類似するたくさんの記事が検索結果に出てきます。上位表示される記事を見て「どれも同じことばかり書いてあるなあ」と感じることも多いです。

検索する側としては新しい情報が知りたいのに、アフィリエイトサイトばかりで内容が似通る。デメリットや製品使用上の注意が取り上げられない・・・そういう悩みも当然生まれてきます。

コンテンツの質が悪いと、タイトルと記事の結論が合っていないことすらあります。

せっかく時間を割いてアクセスしたのに、求めた結果がまるで書いていない。これでは詐欺みたいなものです。怒りたくなるのもわかります。

そして、それらのサイトの共通点として見出されたのが「いかがでしたか」という一種の決まり文句だったわけですね。

「いかがでしたかサイト」は80%を占める

実際に検索してみると、「いかがでしたか」の一文が入っているサイトは多く目につきます。

一例として「オーガニック 化粧品 おすすめ」で検索した時の結果です。左が「いかがでしたか」あり。右では「いかがでしたか」を除外指定しています。

「いかがでしたか」の一言を入れているサイトが多くなっていること自体は、私も認識していました。

それにしても・・・

  • 「いかがでしたか」あり ⇒ 1億件
  • 「いかがでしたか」なし ⇒ 1,980万件

この結果はさすがに驚きました。「いかがでしたか」を除外するだけで、検索結果がおよそ1/5にまで減っているんです。

言い換えれば、「オーガニック 化粧品 おすすめ」でGoogleの検索結果に出てくるサイトのうち80%近くが「いかがでしたか」を使っていることになります。

ちなみに、「いかが」だけで検索したらさらに減りました。

こちらの検索結果は1,520万件。

「いかがでしたか」の他にも、「いかがですか」や「いかがでしょうか」を使っているサイトが数多く存在することになりますね。中にはちょっと過剰にも感じられる「いかがでしたでしょうか」を使っているサイトも見たことがあります。

もちろん、「いかが」のフレーズがたまたま入っていただけの可能性も否定できません。ジャンルによって結果も全く異なるでしょう。

ただ、「いかがでしたか」をはじめとする「いかが」フレーズが使われ過ぎているのはとてもよくわかる結果でした。

「いかがでしたか」がうざいのはなぜ?

アフィリエイトを行っているブログや、NAVERまとめなどのキュレーションサイトで一時期爆発的に増えた「いかがでしたか」。

なぜ「いかがでしたか」を使うサイトが増え、同時に批判的な目も増えたのでしょうか。

「いかがでしたか」は、言い方を変えると「どうでしたか?」と相手に尋ねる表現です。別に日本語としておかしいとか、敬語として間違っている、ということはありません。日常会話の中でも「いかがでした?」と何気なく聞くことってありますよね。

例えば、新しいお店ができたので行ってみた、と言った上司に感想を聞く時。

にゃんさん
新しくできたお店、いかがでした?

こういう使い方には特に違和感も、うざさも感じません。

Amazonの「家族問題」カテゴリーで1位を取っている書籍『人生が変わる会話術』の著者、丘村奈央子さんも「リクナビNEXTジャーナル」の記事で「相手の答えから質問を作るメリット」についてこのように語っています。

第2のメリットは話し手が安心してくれることです。出てくる質問は必ず自分の回答に立脚しているので「無視されていない、聞いてくれている」とわかります。話し手の言葉から質問が発展していくので「自分の言葉で会話が回っている」という満足感もあります。

引用:会話が「途切れる人」と「盛り上がる人」の違いとは? | リクナビNEXTジャーナル

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相手の行為に対して「いかがでしたか」と聞くのは特に違和感はありませんし、むしろ「あなたに興味を持っている」というサインとしても使えます。

会話の中で自然に相槌が入ったり、話していることに対して質問があった方が話が弾むし、「ちゃんと話を聞いてくれている」って安心しますよね。逆に、ずーっと相槌なしで黙って聞いている人が相手だと、「つまんないなあ・・・」と感じます。

こういう時に使う「いかがでしたか」は、とても有効な質問なんです。

ですが、使いどころを一歩間違えると「いかがでしたか」は相手にうざく感じさせる要因にもなってしまいます。それがこのような例。

にゃんさん
さっきの私のプレゼン、いかがでしたか?

こう聞かれたら、「えーっと・・・」ってなること多いですよね。当たり障りなく「良かったですよ」くらいが無難な答えになるのではないでしょうか。

でも、ここで少し言葉を変えるだけで印象はすごく変わるものです。

にゃんさん
プレゼンの内容、わかりやすく伝えられていたでしょうか?

本当はこうやって聞きたくても、「いかがでしたか」を使うだけで受け取り方がガラッと変わるんです。上司に「いかがでした?」なんてドヤ顔で聞いたら、それこそ「生意気な」と思われることだってあるでしょう。

相手に感想を求めること自体は何も不自然ではありません。

ですが、自分から「ねえねえ、私のことどう思う?」と聞いてくる人を好ましいと思うでしょうか?

「All About NEWS」の記事の中にも、「いかがでしたか」に関するものを見つけました。

「いかがでしたか?」で締めるのは、いかがなものか?
いやまあ、人様の文章についてあれこれ言えるアレではないし、たいへんおこがましいと重々承知しているのですが、最近ネットのニュース記事でやたらと目にして、そう思い始

ちょっと面白いな、と思ったのがここのくだりです。

初めてベッドをともにして、ひと段落ついたときに、彼もしくは彼女が「いかがでしたか?」とは言わないまでも、「どうだった?」と聞いてきたら、賞賛の言葉を返すしかありません。レストランで食べ終わったタイミングでシェフが登場し、おもむろに「いかがでしたか?」と聞かれた場面で、料理の味に文句をつけられる人は少ないでしょう。

そんなふうに「いかがでしたか?」には、批判をかわしつつ、当たり障りのない円滑な雰囲気を作る効果があります。

引用:「いかがでしたか?」で締めるのは、いかがなものか? – All About NEWS

「初めてベッドをともにして」、とは大胆な喩えですが非常にわかりやすいですよね。

何かしらの事柄に対して相手に感想を求めたい場面は誰にでもあります。

そんな時、面と向かって「いかがでしたか?」と聞かれても文句は言いにくい。バシッと言ったら相手を傷つけるかもしれませんからね。そういう意味では、「批判をかわしつつ、当たり障りのない円滑な雰囲気」を作る一定の効果はありそうです。

でも、それが人に好まれるかどうかは別の話。

ただでさえ自分の行為を「いかがでしたか」と聞いて有効な場面は限られてきます。

「こちらの記事はいかがでしたか?」は、それこそ客に味を尋ねるシェフのように捉えられてしまうでしょう。これがどの記事を見ても同じだったら、さすがに「うざい!」と思われてしまうのも当然かもしれません。

それにしても「All About NEWS」の記事投稿日は2014年10月になっていますから、実に4年以上も前です。

ずいぶん前から「いかがでしたか」が流行り(?)出していたんですね。

書き手が「いかがでしたか」を使う理由

これまで説明してきた通り、「いかがでしたか」は相手に対してリアクションを求める言葉です。

例えば、「乾燥肌診断」「恋愛診断」のような項目の最後にある「いかがでしたか」は「相手に対して」診断結果を聞いています。

  • いかがでしたか? 3つ以上当てはまっていたあなたは・・・

のような流れになっている文章ですね。

この場合は、診断をした方に対して「あなたの結果はどうでしたか?」と聞く内容になっています。流れとして自然ですし、特に違和感もありません。

「あなたの診断結果」に対して「いかがでしたか」と聞くことで、「3つ以上当てはまっていた」という条件を提示する。これなら後の文章にもうまくつながっていきます。

今挙げた「◯◯診断」系や、マーケティング手法の解説などで「こちらもいかがですか」と別のおすすめ商品を紹介する例などは適切な使い方といえますね。

しかし本来、ブログやサイトで「いかがでしたか」が絶対に必要な場面はそう多くありません。特に記事の最後にある「いかがでしたか」は、自分の書いた記事の感想を相手に対して聞いています。

「この記事はいかがでしたか?」

と感想を求めているんですよね。

これって書いている側としては違和感なく使っている場合があり、書き手のニュアンスとしては「お役に立ちましたか?」も含んでいることが多いです。

私自身が記事を書く側の人間ですから、読者のリアクションが欲しい気持ちもわかります。

一生懸命書き上げた記事に読者からのリアクションがあれば嬉しいですし、モチベーションにもつながります。リアクションがある、というのは「評価」をもらっていることと同じですからね。

「役に立ちました!」と言ってもらえれば、それはライター冥利に尽きるというもの。

でも、「いかがでしたか」があってもなくても内容に差がない、あるいは意味が通じる文章なら無理に使う必要もありません。

記事に感想を書き込むのは読者のごく一部です。私もこのサイトとは別に月間10万PVのサイトを運営していますが、アップした記事に対して見知らぬ人から「参考になりました!」なんて書き込みはいちいちきません。

よくサイトへ足を運んでくれる常連さん、ファンの方からのリアクションはあります。あとはTwitterなど別媒体で「いつも見てます!ありがとうございます!」と声をかけていただく感じでしょうか。

言ってしまえば、記事の締めに使われている「いかがでしたか」は友人が書いた「つまらない」小説の感想を求められることと同じです。

けなせない、褒めるのも難しい、かといって読んで面白いものでもなかった。これじゃあ感想なんて言いようがありません。むしろ、「下手に出ておけば批判や文句もつきにくいだろう」と受け取られてしまうことも考えられます。

「All About NEWS」で指摘されているように、「単純に時間がなくて書き上げてしまわなくてはならなかった」という事情もあるかもしれませんね。

ただ、どのような理由であっても、使われ過ぎてもはや読者に「拒絶反応」が出ている感があります。

「いかがでしたか」でサイトの質はわからない

と、ここまで「いかがでしたか」について書いてきましたが・・・

「いかがでしたか」と入っているサイトだからコンテンツが劣っている、とは断言できません

私が「いかがでしたか」の除外指定を見て「うーん・・・」と思ったのはここでした。マーケティングについて触れているようなサイトだと、顧客とのやり取りを再現する中で「いかがでしたか?」の文言が必要な言葉として登場するケースもあります。

それに、アフィリエイトを行っているサイトの全てが「いかがでしたか」と使っているわけでもなければ、「いかがでしたか」と使っていないサイトがアフィリエイトサイトでないとも言えないわけです。

関連記事の紹介部分だけで「こちらの記事”も”いかがですか?」と書いているサイトもあります。「こちらの記事はいかがでしたか?お役に立ちましたらSNSでシェアお願いします!」というサイトも多いですね。

「いかかでしたか」なんて、言ってしまえば書いているライターの癖でしかありません。

その問いかけ方が読者にとって好ましいと判断すれば積極的に使うでしょうし、そう思わなければ使わないだけのことです。

今後「いかがでしたか」に代わる「決まり文句」が出てくることも考えられます。そうしたらまた除外指定になるのかもしれませんし、また別の手法が見つけられるのかもしれません。いたちごっこな気がします。

いずれにしろ、本当に良質なコンテンツを提供しているサイトが弾かれてしまう可能性が否めないのは悲しいことです。「この言葉の使い方はダメ」「このキーワードが入っていたら質の悪い記事」と判断するのではなく、記事が発信する情報の質で判断ができる環境になっていくと良いですね。

じっくり腰を据えて書籍で勉強したい!という方にはこちらがおすすめです。

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